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2007年7月26日 (木)

民営化

国鉄は民営化によって年間2兆円を超える赤字体質から脱却し利益を上げられる組織に生まれ変わった。

官僚の搾取を止めさせ湯水のように赤字を垂れ流す体質を変えるには民営化が必要だと考えていた。しかし国営事業を民営化すれば本当に良くなるのだろうか。

 葛西氏の著書『未完の「国鉄改革」』を読むと、国鉄の巨大組織の中で「3人組」がいかに孤軍奮闘してきたかがよく分かる。

葛西氏も「経営問題などに口を出すべきではない」「黙ってじっとしていれば出世できるのだから、余計なことしないで静かにしていろ」と注意された。
その時、葛西氏はこう答えた。

国鉄の掟もあるでしょう。しかし、日本国家というものもあります。組織人であるという意味でいうと、最も基本的な組織というのは国家です。国家・国民が正しいと思っていることと、国鉄のなかにおける意見が違っている場合、一体どちらに従うかといえば、国家・国民としての立場を貫くのが組織人の原点であって、泥棒の集団にいるから泥棒の掟に従うのが組織人であるということにはならないと思います。

現場管理者の顔に自信が戻ってきた

 葛西氏の動じない姿勢を見て、現場の助役たちも、次第に今度の総務部長は今までと違う、という事に気がついていった。従来は「職場規律を正せ」と言いながら、格好だけつけて、水面下で国労と手を握って現実には処分をしない、また賃金カットをしてもその分を別の形で本人に戻してやる、という事が行われていた。

 局長や総務部長などのキャリア組は、2年もしたら別の部署に替わっていく。その間、なるべく問題を起こさないで、本社筋に睨まれないようにすることが、出世のために大切なことだった。だから、口では「職場規律を正せ」と言いながら、組合との水面下の馴れ合いで、事を収めようとする。

 現場を治める助役たちはこれを知っていて、「命ぜられた通り、愚直に職場規律を正そうとしても、どうせ後で梯子を外されて、ツケを払わされるのは全部自分たちだ」という空気が強かった。彼らは、連結不良の事故を起こした助役に代表されるように、働かない組合員とバックアップしてくれない上層部の狭間で、個人的な生活を犠牲にして列車の運行を一生懸命に支えていたのである。

    しかし、今度の総務部長は梯子を外さない人だ、と分かって、現場の助役たちも真剣に職場規律の粛正に取り組んでいった。約2年間で、仙台鉄道管理局の規律は大幅に改善した。葛西氏は、現場管理者の顔に自信が戻ってくるのが実感できて、嬉しく思った。

 葛西氏は「武士道というのは、エリートのための生きざま」と語っている[2,p177]。エリートとは自己犠牲を厭わずに、国のために役立とうとする志を持つ人を言う。それは出世を目指して、組織の掟に埋没していた国鉄上層部とは正反対の生きざまと言える。

国際派日本人養成講座より転記

このような己の利益より国家を思うエリートがいたからこそ実現できた改革で、この改革は民営化しなくてもできるのではないだろうか。

国営事業も役所も民間の法則を導入してはどうかと考える。この世の中には全く違ったルールで生きている人間が居る。簡単に説明すれば、責任を取らされる世界と責任がない世界だ。
民間企業なら赤字になれば給料は出せない。経営コストは削減しなくてはならない。倒産や問題が起きれば責任を追及される。経営に責任が発生するのだ。
もう一つは公務員だ。赤字であっても給料は優先的に支払われる。予算が余ったら使い切ってしまわなければならないので、経営コストは膨らませなければならない。問題が起きれば責任を取って?辞めれば(逃げれば)いい。全く反対の法則で動いている。そこで、公務員の世界にも民間のルールを適用するのはそれほど難しい話ではないと思う。
独立採算に近くして赤字になれば最低賃金を除いてカット。組織自体に自浄作用が生まれるようにするべきである。道路公団など、民営化しなくても自浄作用が生まれるシステムは作れるのではないだろうか。そもそも公共の仕事というのは名誉職ではないだろうか。莫大な赤字を作りながら納税者は苦しんでいる。それを横目に高給をせしめて心は痛まないのだろうか。これでは社会主義や共産主義の国と変わらない。

武士は食わねど高楊枝、それくらいの誇りを持ってもらいたい。

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